今回のお話しするテーマは赤ちゃん子猫の保護の方法についてです。
- 倉庫(車庫)の中で産まれたての赤ちゃん子猫がいるんだけど、保護していいの?
- 目が開いていない猫がいるんだけど、どうやってお世話したらいいの?
- どうにかして、赤ちゃん子猫の預け先を見つけてもらいたい!
繁殖期のシーズンになると、たくさんの子猫がやってきます。毎回「どのようにお世話したらいいの?」って悩んでいる人が多いので、その疑問に対して今回はお答えしていきます!
赤ちゃん子猫の年齢を判断するには?
生後、何ヶ月までを赤ちゃん子猫と呼ぶんでぇ?
はい、大体生後2ヶ月ぐらいまで前までを赤ちゃん子猫と呼んでいます。
年齢に関してはこんな感じです。
年齢 | 写真 | 状態 |
---|---|---|
2〜3日 | 目が開いていなくて、自力で移動も難しい時期。体温調節もできないので、常にくっついている。 | |
1週間 | ヨチヨチ歩きを始める時期。目が開き始めるがまだ見えてないので、匂いを嗅ぎながら移動する。 | |
2週間 | 動くものを目で追うようになる。高いところに登るようになるが、降りれないので注意が必要。性別の判断がつく。音が聞こえるようになる。 ちゃおちゅーるのような水分の多い食事を食べれるようになる子もいる。 | |
3〜4週 | 乳歯が生え始め、自力で排泄できるようになる。このくらいになると、カリカリのフードを食べたりする。 この大きさになれば、お世話もいらなくなる。 | |
5〜7週 | 徐々に他の歯も生え始める。他の子と積極的に噛み合ったりする時期。 耳も尖って猫らしくなってくる。 | |
7〜8週 | 乳歯が26本生え揃う。体格もしっかりしてきて、トタトタ走っていたものが、駆けるように走る。 |
これは検索すると色々出てくると思うんですけど、目安としては大体1ヶ月ぐらい経つと、前に2本小さい牙が生えてきます。
2か月ぐらい経つとちょっと立派になってきて、奥の歯も生えてきます。他にも2ヶ月ぐらいになると完全に走ることができますね。
歯で判断するのが分かりやすくてオススメよ。
赤ちゃん子猫を保護する前に気をつけること
母猫がいないか確認
じゃあ、赤ちゃん子猫を保護する人がいっぺぇいると思うんだけどよ、保護する前に気をつけるべきことってなんかよ?
まずは近くにお母さん猫がいるかどうかをまず調べてほしいです。
赤ちゃん猫の場合は完全に単体でいることってほとんどありません。いない場合は狩りに行っている可能性があるので、何度も確認してください。
お母さん猫がいるのに、取り上げちゃうとどうなるんでぇ?
途中で取り上げちゃうと、子猫がショックを受け、衰弱してしまう可能性があるので無理に取り上げないようにお願いします。
突然、お母さんがいなくなるって考えただけでも怖いもんね。
よく確認してから保護するようにしてほしいわ。
行政などに確認
こりゃ一人でいるなって分かって、保護したいと思ったらどうすれば良いんでぇ?
本当に完全に1人でいるっていう場合には、まず、警察とか愛護センター、指導センターに相談してほしいです。
基本、猫は器物(落とし物)として見なされるので、落とし物なら警察が対処してくれます。
また、愛護センター、指導センターは迷子として届け出が出ている可能性や、どうやって保護したら良いか教えてくれることがあります。
「様子を見てください」しか言われねぇってことが多いらしんだけどよ、そいつぁどうなんでぇ?
職員さんによっても変わりますが、飼い猫ではない猫を『捕獲』することはトラブルになりがちで推奨していないのだと思います。
万が一、お母さんが飼い猫とか、赤ちゃん猫が飼い猫だった場合は、勝手に持ってくると法に触れるので、基本的には「様子見してください」って言われます。
ペットは家族の一員なので、誘拐や監禁が成立すると思いたい方もいるかもしれません。しかし、日本の法律では、犬などのペットは「物」として扱われます。
そのため、他人の飼っているペットを連れ去る行為は、窃盗罪・器物損壊罪・動物愛護管理法違反などによって処罰される可能性があります。
法律上、難しい問題なのですが、連れ去った目的により成立する犯罪が違うのです。● 窃盗罪(刑法第235条)
自分のものにする目的、転売目的などでペットを連れ去った場合、窃盗罪が成立します。
窃盗罪の法定刑は「10年以下の懲役または50万円以下の罰金」です。● 器物損壊罪(刑法第261条)
連れ去った後にどこかへ捨てる目的でペットを連れ去った場合、器物損壊罪が成立します。
器物損壊罪の法定刑は「3年以下の懲役または30万円以下の罰金もしくは科料」です。● 動物愛護管理法違反
愛犬の連れ去りは罪に問える? ペットが誘拐されたときの対処法とは – ベリーベスト法律事務所 小田原オフィス
連れ去った愛護動物を、正当な理由なく殺傷した場合には「5年以下の懲役または500万円以下」の罰金に処されます(動物愛護管理法第44条第1項)。
また、愛護動物に対して暴行などの虐待を行い、または愛護動物を遺棄した場合には「1年以下の懲役または100万円以下」の罰金に処されます(同法第44条第2項、第3項)。
それでも誰かが探している可能性もありますし、連絡してほしいです。
僕たちって人間の世界だと落とし物なんだね。
ま、いろいろあるのよ。気にしちゃいけないわ。
保護した後の責任を取れるか確認
あとは保護した後、責任を取れるか覚悟を持って保護して欲しいと思います。
産まれて間もない赤ちゃん子猫の場合、育てるのは本当に大変です。1〜3時間おきにお世話をすることになると理解して保護してください。
また、二ヶ月に満たない子猫は50%くらいの確率で亡くなります。昨日まで元気でも突然衰弱して亡くなっていく…ということもあるので、精神的にも辛くなるでしょう。
保護した後、再び野生に帰すという選択肢はないと思って覚悟して保護してください。
保護するって思っているよりも大変なのよね!
一度に5〜6匹も産むのには理由があるのよ。
赤ちゃん子猫を保護する方法
保護のやり方
赤ちゃん子猫を保護するにはどうすれば良いんでぇ?
赤ちゃん猫の場合は、体が小さいのと、2か月経ってない場合はかなり動きがゆっくりなので、捕獲器をかけるほどでもなく、簡単に捕まえられます。
逃げることもほとんどないと思うので、優しく手で抱き上げてください。
問題は母猫も一緒に捕獲するケースです。こちらは捕まらないので、捕獲器を使ってください。捕獲器は市役所から借りられるケースもあるので、相談してみましょう。
捕獲の依頼について
保護猫団体に依頼はできる?
さっきの持ち物かどうか分からねぇ、どいつのか分からねぇというケースがあると、捕獲をしてくれ!って依頼が来ると思うんけど、これどう思うんでぇ?
基本的には捕獲はしてくれないと思ってください。
おそらくなんですけど、多くの人は保護のイメージが『保護=捕獲』になっているのかなと。
例えば、怪我した猫ちゃんや、1人でいる猫ちゃん、この赤ちゃん猫のように、「そこにいるのはちょっと心配だな」っていう猫ちゃんがいた際に、どこに聞いていいのか分からなくて「猫を保護してください」って連絡がくることが多いんです。
でも、実はそういうケースで猫を捕獲してる団体はほとんどいません。
そうなんだ!じゃあよ、どうしてそう思われるようになったんでぇ?
多分近いのが、「ハクビシンや、タヌキがいるので捕獲してください」という危害を加える迷惑動物の捕獲と同じイメージを持たれているのかなと。
そのような場合は市役所に連絡しますが、「ちょっと捕まえてほしいんですけど」という雰囲気で言われることが多いですね。でも、実際には保護はお世話をすることなので、捕まえたあとの話なんですよね。
捕まえるのはあくまで自分が行ってください。
捕獲を依頼できるかもしれない団体
ただし、例外的なケースもあります。
怪我した猫ちゃんの場合は動物指導センター、もしくは保健所の場合は対応してくれるかもしれないです。
「かもしれない」というのは、その2つでも予算・人員が足りないので、積極的に捕獲はしていませんが、「こうすると良いよ」というアドバイスはもらえると思います。
捕まえる時は自分の責任においてやるんだね!
よく考えてから捕まえよう。
赤ちゃん子猫を保護したら
必要なグッズ
自分の責任において捕まえやした。その後、どうすれば良いんかよ?
まず揃えてもらいたいものはこちらですね。
- 餌入れ
- 水入れ
- 赤ちゃん猫用ミルク
- 湯たんぽ
- シリンジなど猫用哺乳瓶
- キャリーバッグ
- トイレ(ペットシーツでも可)
餌・水、湯たんぽは必須です。キャットフードは産まれて間もない頃は食べられないので、猫用のミルクを与えてください。
あとは体温調節用に湯たんぽですね。赤ちゃん猫は体温調節がうまくできないので、湯たんぽがないと衰弱して死んでしまうので、必ず用意してください。
トイレは赤ちゃん猫だと自力で排泄できないので、最初は不要ですが、すぐ必要になるので準備しておきましょう。
もし、こういったグッズが準備できてなく、購入する時間がねぇ!っつう場合はどうしたら良いんだい?
緊急の場合、ご家庭でも代用できる品物はあります。
- 餌入れ、水入れ→平べったいお皿
- 猫用ミルク→無低糖乳
- 湯たんぽ→ペットボトルにお湯を入れて、タオルを巻く
- シリンジ→スポイト
- キャリーバッグ→段ボール
- トイレ→タオル
いろいろ代用できると言いましたが、ミルクだけは無低糖乳ではなく猫用ミルクにしてほしいと思っています。
最初に生きられるかどうかがポイントなので、人間が育てる場合、栄養と免疫が考えられた猫用ミルクじゃないと、2ヶ月経つ前にほとんど死んでしまいます。
用意が大変だけど、しっかり準備してね。
動物病院に行ったほうが良いか
病院に連れていったほうが良いんかぃ?
実は赤ちゃん猫の場合、異常がなければ動物病院にかかる必要はありません。赤ちゃんの状態で行っても、ワクチンや、避妊などは小さすぎてできないんです。
体調チェックをしてもらうと安心だと思いますが、「問題ないですね」って言われた場合、結局自宅で見ることになるのは変わらないです。
全く初めて保護した場合、体調チェックのついでに「どうやってお世話をしたらいいでしょうか?」と聞くのも良いと思います。
逆に衰弱していたり、目ヤニがひどかったらすぐに病院に行ってください。
食事は何を与えるか
猫用ミルクっつてたんだけどよ、どのくれぇのペースであげれば良いんだい?
まず赤ちゃん猫の体重を測って、その体重に合わせて量を守ることが大切です。ミルクの裏側に大体何グラムと書いてあります。これは人間の赤ちゃんのミルクと一緒ですね。
これを生後1〜2週間になるまで1〜3時間ごとに与えてください。飲むのが下手な子もいるので、根気が必要です。
人間が飲んでる牛乳を飲ませる人がいるんだけどよ、こいつぁどうでぇ?
人間用の牛乳を与えるのはNGです。
赤ちゃん猫は消化器系が育っていないので、うまく消化できず下痢になります。赤ちゃん猫の場合、下痢は命に関わるものなので、大丈夫なもの以外は与えないでください。
排泄のお世話のやり方
排泄はどうすると良いんだい?
赤ちゃん猫の場合は自分で排泄できないので、お尻を叩いて刺激して、ティッシュやタオルで拭き取ります。
詳しくは動画を見てもらえれば分かると思います。
母猫が舐めてるのは、これをやっているからなのよね。
これを人の手でやらなきゃいけないのは大変だね。
赤ちゃん子猫の譲渡について
引き渡す時期について
じゃあよ、赤ちゃん子猫を譲渡したいとなったら、どのくらいに引き渡すと良いんだい?
猫田助の場合はワクチンが打てるようになったらなので、よっぽどのことがない限りは2ヶ月前後で譲渡しています。
また、2ヶ月経つ前だと渡した直後に、ストレスが原因で引き起こされる病で急に亡くなるということも多いです。なので、目安は産まれて二ヶ月、もしくは体重1000gが良いでしょう。
引き渡し先
譲渡先はどこにすると良いんだい?
友人、近隣住民
一番多いのは友人知人ですね。自分も連絡しやすいし、もらってくれやすいです。
また、近隣住民は猫を見に行きやすいということで、声をかけると受け取ってくれる確率は高いです。
保護猫団体
もし、友人、知人で誰もいなかったら、保護猫活動してる団体さんとかボランティアに連絡してみましょう。
赤ちゃん子猫は時期が被りやすいので、殺到していていっぱいということが多いです。ただし、「引き取って」という声が多いということは、「欲しい」という声も多いので、空き状況が読めません。
空きが出たら教えてもらうか、定期的に連絡をとってみましょう。
ポータルサイトや、SNS
最後はポータルサイトや、SNSなどを使ってみましょう。
ポータルサイトは里親募集が専門にしていたり、地元の住民に呼びかけられるようになっています。
SNSだとXか、Instagramが多いと思います。
ここで出すと良いよってのはあるんかい?
猫田助では、OMUSUBIというポータルサイトをメインに使ってるんですけど、ここは審査登録制なので、「1匹猫ちゃんを保護したから掲載したい」っていう場合には向かないかなと思います。
一番多く見かけるのはジモティーという無料の地元掲示板ですね。ここはたくさんの地元の方が見ているので見つかりやすいです。ただし、変な人もいるので、気を付けて対応してください。
SNSや、ポータルサイトは最後なんだね!
やっぱり、繋がりが薄いから「どんな人か分からない」ってのが一番不安要素みたいね〜。
受け取って虐待することもあるらしいから、気を付けて渡してほしいわ。
赤ちゃん子猫の飼育は難しい
他によ、何か気をつけておいたほうが良いよってことはあるんかい?
やはり、赤ちゃん猫の飼育の難しさですね。
体重1Kgを目標にしよう
赤ちゃん猫は生存率がお母さん猫に育てられている状態で50%、人間に育てられるともっと低いです。なので、まず2ヶ月間、無事に育つかどうかはがポイントです。
目安としては体重1Kgを超えたあたりで亡くなることはほぼなくなるので、目標にしてください。
2ヶ月経ったらワクチンを打とう
また、2か月ぐらい経つとお母さんからもらった免疫が薄くなってしまうので、そこで体調崩しやすくなります。その辺りに注意して、ワクチンを打ってください。
赤ちゃん子猫の飼育は覚悟を持って慎重に!
今回は赤ちゃん子猫の育て方を見てもらったけど、どうだったかな?
とにかく慎重に…って感じだったね。
育ててみると大変さが分かるわよ。母猫も楽じゃないわ。
でも、愛らしさは一番あるわよね!
今回も見ていただきありがとうございました。大事な情報だなって思ったらぜひシェアなどもいただけると嬉しいです。
それでは今回も猫田助、完了!
他にも保護猫の捕獲、保護に関しての情報をまとめているので、ぜひご覧ください。
他にも保護猫の飼い方に関してや、仲良くためのコツなどをまとめているので、ぜひご覧ください。