今回のテーマは『保護猫はいつまでケージに入れておけば良い?』です。
「30代共働き夫婦です。最近、保護猫を迎えました。もともと先住猫(5歳のオス)がいて、新しい子はまだ生後半年くらいの保護猫です。先住猫はマイペースでおっとりしているんですが、新入り猫が来てから少しピリピリしているような気がします…。
保護猫は迎えてから1週間ほどケージで過ごしていますが、まだ警戒心が強くて近づくと隅っこで固まってしまいます。このままケージに入れておいた方がいいのか、それともそろそろ自由にさせて慣らした方がいいのかすごく悩んでいて…。
先住猫も新入り猫もどちらにもストレスをかけたくないですし、無理に接触させてケンカにならないか心配です。初心者でこうした多頭飼いは初めてなので、ケージから出すタイミングや注意点を教えていただけないでしょうか?」
保護猫を受け取った後、ケージに入れっぱなしにして過ごしている…という方は結構いらっしゃいます。でも逆に、どんなタイミングでケージから出したら良いのかにも悩んでしまうんですよね。
ケージからいつから出すか?むしろ最初からケージなしのほうが良いのか?これは保護猫ちゃんの性格によるところが大きいですが…今回は「こうなったら出す」という具体的なサインをお伝えしようかと思います。
ぜひ参考にしてみてください!
なぜ保護猫は最初ケージ生活が必要なの?

そもそも、なぜケージは必要なんでい?
保護猫は新しい環境に強いストレスを感じています。
知らない場所、知らない人、そして先住猫…。そのすべてが「危険」と感じてしまうため、安全で落ち着ける「自分だけの居場所」が必要です。


飼い主の安全を守り、猫ちゃんの心理的安心を生み出す。それがケージの役割でもあるのです。
また、脱走防止や先住猫とのトラブルを避ける意味でも、最初はケージで環境に慣れさせることが大切です。
ケージは単なる“閉じ込める場所”ではなく、“安心できる場所”として考えてあげましょう。



僕はケージがないと困っちゃう…!



ケージなしの生活なんて考えられないわ!
【状況別】ケージ卒業の目安はどれくらい?
では、実際にケージ卒業となる目安時期を知っていきましょう。
ここで記載している事例は、猫田助が一般的に受け入れた猫たちを、どのくらいで「ケージなしでも大丈夫だな」って判断しているかの時間を記載しています。
人馴れしている保護猫の場合
ご飯も人前で食べる子も多く、1〜2週間程度でケージ卒業できることが多いです。環境に慣れてきたら少しずつケージの外に出してあげましょう。


警戒心の強い保護猫の場合
1ヶ月以上かかることもあります。無理に外に出すよりも、猫のペースに合わせてじっくり信頼関係を築くことが大切です。


子猫の場合
ワクチン接種が済み、体調が安定してからが基本です。無理に出すと体調を崩しやすいので慎重に判断しましょう。野良で生活してきた子猫は別ですが、子猫の場合は、先入観がないのか人間に恐怖心がない(もしくはすぐ触れられるようになる)子がほとんどです。





大体1〜2週間くらいで仲良くなってくるよ。



だから、猫田助のトライアルは2週間なんだね〜。
ケージから出す“合図”はここを見る!
時間ではなく、「ここまで来たら確実に大丈夫だ」と判断できる”合図”があります。
ちなみにこの合図は人に対して行えば「人に信頼感を持っている」、猫に対して行えば「その猫に対して信頼感を持っている」と思ってください。
はら天・へそ天する
ナデナデしている時にお腹を天井に見せるような動作をする時は、飼い主に対して心から安心できている状態です。この時はケージから出しても確実に大丈夫でしょう。


人が居てもリラックスしている
くつろいでいて逃げる様子がない場合もケージから出して良いですね。少し出してみて、それでもくつろいでいる様子だったら確実に安心です。


自分から近づいて頭をスリスリしてくる
猫が自分からそっと近づき、頭や体をスリスリと擦りつけてくる行動は、最高レベルの安心サイン!この行動は「あなたは安心できる存在だ」と認めた証拠。警戒心が強い猫は、絶対にこの行動をとりません。


これらの行動が見られるようになったら、少しずつケージの扉を開け、自由に出入りできる時間を増やしていきましょう。
ただし、一気に完全フリーにせず、様子を見ながら段階的に進めるのがポイントです。



ゆっくり少しずつ慣らすと良いぞ。



安心していないとスリスリできないのよね。
先住猫がいる場合の注意点【無理な接触はNG】



先住猫がいる場合、どうしたら良いんでぇ?
いきなり保護猫と先住猫を直接対面させるのはなるべく避けたほうが良いですね。まずはケージ越しにして、匂いの交換から始めるのが基本です。


- タオルや毛布を交換して互いの匂いに慣れさせる
- ケージ越しに対面させて、距離感を確かめる
- 落ち着いてきたら、短時間だけ直接対面→少しずつ時間を延ばす
もしシャーッと威嚇したり、ケンカしそうな素振りが見えたら、再び距離を取りましょう。焦りは禁物。猫同士の関係は時間をかけて築くものです。
早い子だと1〜2週間、遅い子でも1ヶ月くらいで変化が出てきますので、信じて待ちましょう。



最初はうまくいかないってことを知っておいてね〜。



時間をかければ自然と仲良くなるわ。
【体験談】猫田助の場合はこうしています



猫田助ではどうやっているんでぇ!
一般的には慣れてきたら掃除のタイミングだけケージの外に出す
私たちは保護猫団体として、これまでたくさんの猫を迎えてきました。
保護直後は、ほとんどの猫が環境に慣れず、ケージの中でシャーッと威嚇し合ったり、低く唸り声を上げたり、ご飯すら口にしないこともあります。


それでも、時間が解決してくれることがほとんどですね。
だいたいどんな猫ちゃんも1週間くらいすると、少しずつ距離が縮まり、鼻先をちょんとくっつけて匂いを嗅ぎ合うようになります。
そして、もう少し慣れてくると毛づくろいをし合う姿も見られるようになります。


性格にも寄りますが、このくらいで「ああ、もう大丈夫だな」と判断してケージから出すタイミングにしています。ただし、出すのは掃除や、ご飯のタイミングだけです。
こうすることで、ケージの外でどれくらいくつろいで遊べるのかをチェックしたり、ご飯のタイミングでケージに戻れる訓練をしていますね。
広い部屋があれば完全自由からスタートもアリ
一方で、飼い猫の場合は広い部屋が確保できるから、最初から自由にさせることも多いです。猫同士がお互いに逃げ場を確保できる環境であれば、自分たちで距離をうまく調整するんですよね。


ただし、ご飯やトイレ中に威嚇するなど、生活に支障をきたすような行動が見られる場合や、人間にも心を開いていない場合は、ケージ生活を続けて様子を見るようにしています。
猫同士の関係性をうまく築けるかどうかは、最終的には私たち人間の「仲裁」がカギになります。


猫たちの様子をしっかり観察して、無理のないペースで新しい生活に馴染ませてあげてください。
まとめ:大切なのは“猫のペース”を見守ること



僕も最初はなかなか馴染めなかったなぁ。



私は最初から頭スリスリしちゃったわよ〜。だって気持ち良いんだもん。



僕の場合は人間の手が怖いんだよね…。ケージから出してもらってても、自分からは人間に近づかないなぁ…。



それぞれのペースがあるのよ!私はケージの扉が開いてても出ないわ!
今回の記事はいかがでしたでしょうか?
相談内容の猫たちなら、一ヶ月もしない内に馴れて問題なくなるかと思います。ただ、保護猫がケージ生活から卒業するタイミングは、一律ではありません。それぞれの猫の性格や過去の経験によって大きく異なります。
大切なのは「この子は今、どう感じているかな?」と猫の気持ちに寄り添うこと。無理に進めるよりも、安心して過ごせる環境を整えてあげることが、結果的に良い関係につながります。
もし、猫同士を近づけて「シャー!」ってやってしまったら、人間が間に入ってナデナデしながら仲裁するのも効果的です。結局、生き物だから人間と対応が似ていますね。
焦らず、猫のペースに合わせて、少しずつ新しい生活に慣れていきましょう。
それでは、猫田助完了!
他にも保護猫の飼い方に関してや、仲良くためのコツなどをまとめているので、ぜひご覧ください。