今回お話するテーマは野良猫の保護の仕方についてです。
- 野良猫を捕獲したいのですが、初めてで不安です
- 先住猫・犬がいても野良猫の捕獲をしてもいいのでしょうか?
- 野良猫を捕獲する前に、準備しておくことはありますか?
今回はもし、野良猫を保護(捕獲)したいと初めて思った方に対する内容をお伝えしていきます。
野良猫の捕獲を依頼しようとする前に知っておいてもらいたいこと
外で猫を見かけたとき「野良猫!保護しなきゃ」と慌てて連絡をいただくことがありますが、保護活動をしている団体は、個人または非営利団体・組織で行っている事が多く「譲渡」の意味が強いです。
譲渡とは、団体が保護している保護動物を引き取る(譲り渡す)ことです。
怪我や病気の「救護」までを行っているところは「動物愛護団体」と呼ばれ、保護団体では以下の対応ができないことがほとんどなので、注意が必要です。
- 怪我をした猫の捕獲
- 野良猫の捕獲、保護
野良猫の捕獲方法
野良の猫を保護したい!と思ったときに気をつけることってなんでぇ?
野良猫を保護するときの前提として、迷い猫でないかを必ず確認しておきましょう。
- 迷い猫 〇〇(市区町村)で検索
- 指導センター、愛護センターで保護している動物の情報
- 収容動物検索情報サイト
- 迷い猫データベース(LOSTPET.JP、ネコジルシ、迷子ペット.NETなど)
- 最寄りの警察署
- 最寄りの動物病院
- 近所で脱走情報がないか
その上で捕獲にはさまざまな準備や、コツがありますので紹介します。
捕獲器の準備と設置
野良猫を保護したい場合には捕獲器が必要です。
人に慣れている子は抱っこできるんじゃないかと思いがちですが、いつもと違う雰囲気は猫が警戒してしまうので、意外と難しかったりします。
また、普段は穏やかでもびっくりして引っ掻いたり噛みついたりすることもあるので、お互いの怪我を防ぐためにも捕獲器があると安心です。
捕まえられる・・・!ってわかるとビビっちゃって、威嚇したり猫パンチしちゃうんだよね。
ぼくもしばらくパニックになって、ケージの中で暴れてたなぁ。
ちなみに捕獲器はインターネットなどでも購入できます。
しかし、1回しか使わないかもしれないし、どういったものを買ったらいいのか?迷ってしまうと思います。市区町村、動物病院、動物愛護センターで捕獲の際の貸出を行っているところもありますので、まずは相談してみましょう。
捕獲器を借りる際に「捕獲後にどうするか?」と聞かれるので、自宅で保護するか、あるいは初期対応が終わったら保護してくれる団体を確保しておくとスムーズです。
捕獲器の設置場所は、猫が普段行動している場所や餌を食べているところを選びましょう。捕獲器の中に餌を入れて、猫が自然に入ってくれるようにします。
猫の警戒心を減らす方法
野良猫は非常に警戒心が強いので、保護したい場合にはなるべくその警戒心を減らすと保護しやすくなります。
先ほど、お腹をすかせて捕獲する方法をお伝えしましたが、捕獲器自体に慣れさせておく方法もあります。
捕獲する時間帯とタイミング
野良猫を捕獲する最適な時間帯は、猫が最も活発に動く夕方から夜間です。
この時間帯は猫が餌を探して行動する時間でもあり、人通りが少なくなるので捕獲器に入りやすくなります。
保護した後の初期対応
隔離場所の設定
無事に保護できたら、すみやかに隔離場所へ移動します。
先住猫、犬などがいる場合は接触しないようにケージに入れて隔離したり、部屋を分けたりする必要があります。
野良猫はノミ・ダニ、回虫がいることが多く、猫風邪などの病気にかかっていることもあります。家猫と接触すると感染してしまうこともあるので注意しましょう。
健康チェックと獣医の受診
野良猫を保護した直後には、必ず健康チェックを行いましょう。最寄りの動物病院や獣医に受診し、外見から見える傷や病気の有無などを確認します。
里親探しを見据えて、以下の対応が可能か相談します。
- ノミ・ダニ虫下し
- 血液ウィルス検査
- ワクチン(3種または5種)
家に迎え入れるための準備
住環境の整備
病院の受診が終わったら、新しい環境に慣れるまでの間、猫が安心して過ごせる安全なスペースを用意します。
最低1週間は他の猫たちとの接触を避け、落ち着くのを待ちます。
避妊・去勢手術の手配
野良猫を保護した後、成猫で特にメスの場合は避妊手術は早めに行います。
特に春と秋は発情期で「保護したら妊婦猫だった」ということもあります。望まない妊娠を避けるためにも、避妊・去勢手術は必ず行いましょう。
他の動物や人との接触について
徐々に慣れさせる方法
保護した野良猫が新しい環境に慣れるまで、時間が必要です。この過程で、保護猫が人間の子どもから大人、他の動物に対する警戒心を減らしていけるように慣らしていきます。
特に初めての接触では無理強いせず、猫が自分から興味を示すしてくれるように心がけます。
最初は静かで落ち着ける場所を用意し、猫がリラックスできる環境を整えます。毎日のご飯やトイレの掃除など、徐々に接触するタイミングを見計らいながら、おやつやおもちゃを使って少しずつ距離を縮めていきましょう。
この辺りは臆病な猫の飼い方、猫と仲良くなるコツをご覧ください。
家族や他のペットとの相性確認
保護猫が環境に慣れてきたら、先住猫、家族や他の動物と対面する機会を設けましょう。
初めての対面では、双方がストレスを感じないように短い時間での接触を心がけ、少しずつその時間を延長していきます。
この際、お互いに無理な接触を強要せず、双方のペースに合わせた対応を行うことがポイントです。
特に愛犬や愛猫と接触する際は、最初はリードをつけたり、ケージ越しにお互いを見る時間を設けるなど、安全面にも注意を払います。
特に人間の子どもに慣れておくと里親さんにつながりやすいわよ。
野良猫だと男の人が怖かったりする子が多いんだけど、色んな年代の人が平気になれば、ずっとのおうちも見つかりやすいよね!
保護猫活動の意義について
最後に猫を保護したいと思ってくれた方へ、社会貢献的な部分をお伝えいたします。
保護活動のメリットと社会的意義
野良猫を保護することで、地域の衛生問題や騒音問題も軽減されます。
また、保護された猫が避妊・去勢手術を受けることで、将来的な野良猫の増加を抑制し、野良猫問題の根本的な解決に繋がります。
継続的なケアと支援
野良猫を保護したいと考えた時、保護活動は一時的なものではなく、継続的なケアが必要だということに気づきます。
これは、保護猫が新しい生活に馴染むまでのサポート、健康管理、定期的な受診が必要だからです。
また、里親への譲渡を視野に入れたときには人馴れ、家馴れする必要があり、野良生活が長く警戒心が強い子の場合は最低でも半年の時間がかかります。
野良猫の保護活動を支えるためには、個人だけでなく、地域社会や愛護団体、様々な機関との協力も不可欠です。
保護猫に関わりながら、それぞれが小さな一歩を踏み出し、集まることで大きな支援の輪が広がります。適切な支援があれば、もっと多くの野良猫が救われ、幸せな生活を送ることができるのです。
一人の力は小さくても、合わせたらなにか大きなことができるんじゃないか。
「衆思を集めて群力を宣ぶ」
水戸の斉昭公が言った言葉です。
みんなで協力しあって、みんなが伸びていく中に猫がいてもいいんじゃないか?
地域にも、熱い思いを持って保護猫活動をしている個人、団体、企業様がいます。
思いに共感していただける連携業者、個人事業者様を大募集しています。事業とともに幸せが増える。
そんな循環を広げていきます。
これからもできることで協力していただければ幸いです。
他にも保護猫の捕獲、保護に関しての情報をまとめているので、ぜひご覧ください。