令和6年2月18日につくば国際会議場で『意外に知られていない猫の歯と口のトラブル』の講座が開催されました。
講座の詳細
内容 | 『意外に知られていない猫の歯と口のトラブル~猫のためにも知っておきましょう~』 講 師:戸田 功 先生(東京都開業・とだ動物病院院長) |
日時 | 令和6年2月18日(日) 開場 13:30 開演 14:00 終了 17:00 |
会場 | つくば国際会議場 1階 大会議室101 |
参加費 | 無料 |
定員 | 150名(申込み順) |
主催は、公益社団法人 茨城県獣医師会 臨床獣医師部会です。
当日は会場がほぼ満席。
医療関係者だけでなく、一般の参加者も多く、小学生から年配の方まで幅広い年齢だったのが印象的でした。
受付にて申込確認を終えると、講座のテキストと試供品のセットが手渡されました。
講座の内容
現在の猫の歯の事情
今はペット保険を利用している飼い主さんも増えてきましたが、その中でも一番多い手術は「歯科疾患」なのだそうです。
歯科疾患の発生率はかなり高く、特に大体3歳以上の犬猫の約8割に歯周病が見られます。
そもそも猫は肉食で、犬歯を使い臼歯はハサミ状咬合で肉を切り裂くことに適しています。
舌も前から奥へ送るだけで、すり潰すことはできません。
人に飼われるようになり猫も食生活が変わりました。
そのため、歯が汚れているだけと思っていても実は歯周病になっていたということも。
歯周病菌が血液に乗って全身に及ぶと、腎臓病や肝臓病など全身に悪影響があるので注意が必要です。
実際に、歯周炎により犬歯の突出があったり、ひどくなると喪出が起こります。
猫の歯のチェックポイント
- 猫の歯が3つのポイントで目視できるか
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3歳以上になると無くなっていることが多いので、まずは歯の状態をチェックします。大まかに3本、目立つ歯があれば大丈夫。
- 歯の状態を見る
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- 口臭(口臭は病気と一致)
- 口を痛がる
- 猫が毛づくろいをしない
- 涎がでている
- 10歳過ぎたら腎不全などと鑑別
- 口の痛み
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- 食欲低下
- 口を触ると痛がる
- 食べ方が変わった
- ドライフードを食べず柔らかいものを好む
猫の歯と口の病気
- 歯周炎
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歯肉のみの炎症
- 口内炎
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口腔粘膜の2箇所以上の部位に炎症
- 吸収病巣
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歯質が吸収され骨様組織に置換られる
自宅でできる猫の歯のトラブル予防
自宅でできることは、歯と口のチェックです。
ワクチン接種等の際に動物病院で診てもらうのも良いでしょう。
デンタルケアとしては、VOHC認定製品のものを使用することもおすすめです。
OHC(Veterinary Oral Health Council)とは、獣医歯科医師や歯科学研究者により構成された米国の機関で、第三者の立場で犬猫用オーラルケア製品の効果を検証して審査しています。
VOHC認定マークがあるものは、噛むことで歯垢・歯石蓄積のコントロールをサポートする効果があると認められた商品。犬用歯磨きガムのなかでも、効果が期待できる製品の証です。
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歯周ポケットの中の歯垢を除去できるのはブラッシングだけです。
ガーゼでは歯しか拭き取れないので、きちんと歯周ポケットに届く歯ブラシを使用しましょう。
これ以外にも、デンタルサプリメントやデンタルリンス・スプレーなどもでているので、猫ちゃんが続けられるものを探してみてください。
保護猫は特に、口内環境が悪い事が多いです。
口臭はバイキンが出しているので、体調と合わせて歯や口の状態もチェックしてみましょう。