今回のテーマは『保護猫がご飯を食べない時の対処法』について。
せっかく迎えた保護猫が、ご飯を食べてくれない。これは飼い主さんにとって、もっとも不安な瞬間の一つですよね。
「このまま弱ってしまうんじゃないか」「私のことが嫌いなのかな」と、自分を責めてしまう方も少なくありません。先日も、トライアルを開始したばかりの方から、このような切実なご相談をいただきました。
猫田助の皆様、はじめまして。Sと申します。
いつもブログを拝見して勉強させていただいています。
実は3日前、保護猫カフェから3歳の女の子「ミト」をトライアルで迎えました。
カフェでは「他の猫には強気だけど、人には少し臆病」と聞いていたのですが、家に来てからずっとソファの裏やケージの隅に隠れっぱなしで、ご飯を全く食べようとしません…。
チュールなら舐めるかな?と思って差し出しても「シャー!」と威嚇され、置いておいても翌朝ほとんど減っていないんです。
私が仕事部屋にこもってリビングが無人になると、少しだけカリカリの音が聞こえる気もするのですが、私たちがリビングに行くとすぐに隠れて固まってしまいます。
それに、先住猫(10歳)がケージの前を通るだけで、ミトちゃんが低い声で唸り声をあげてしまい、先住猫も怯えて近づかなくなってしまいました。
「最初の数日は食べないこともある」とはネットで見ましたが、もう3日目です。
このまま体調を崩してしまわないか、そして何より「この家は怖い場所だ」と心を閉ざしたままになってしまうのではないかと、不安でたまりません。
私の接し方が間違っているのでしょうか?どうすれば彼女に安心してもらえるのでしょうか…。
助けてください。よろしくお願いいたします。
ご相談ありがとうございます。猫田助でも、里親に出した直後にこういった「ご飯を食べない」という相談はよくあります。
結論から申し上げますと、Sさんの現在の状況は、保護猫を迎えた際によくある通過儀礼のようなものです。Sさんの接し方が間違っているわけではありません。
今回の記事では、Sさんのミトちゃんのように『人がいない時は少し食べている様子がある』場合と、本当に『命に関わる危険な絶食』の見極め方、そして先住猫ちゃんとうまく距離を縮めるためのケージ配置について、詳しく解説していきます。
なぜ食べるのを拒否するの?保護猫の心理と原因
猫田助おいおい、せっかくのご馳走を無視するなんて、猫にとっちゃ一大事だぜ。一体なんでそんなに頑固になっちまうんだい?
保護猫が新しい環境でご飯を食べなくなるのには、必ず理由があります。彼らにとって食べることよりも優先すべき事情があるのです。
安全確保が最優先の本能
猫にとって食事や排泄は、無防備になる瞬間です。「ここは安全だ」と確信が持てないうちは、本能的にこれらの行動を我慢します。
Sさんのミトちゃんの場合、人がいない時にカリカリの音がするとのことですので、食欲自体はあるものの、人の気配に対する警戒心が勝っている状態です。
特にミトちゃんのような少し臆病な性格の子は、安心できるまで時間がかかるものだと理解してあげましょう。



お腹が空けば本能で食べようとする力は持っているわ。安心できるまで時間がかかるものなのね。
環境変化による極度の緊張
猫にとって環境の変化は、人間が思う以上に大きなストレスです。『食べない』のではなく『今は食べる余裕がない』という状態だと理解してあげてください。
知らない場所、知らない匂い、知らない人間。これらに囲まれ、猫はパニックに近い状態です。この緊張状態では胃腸の動きも鈍くなりやすいため、一時的に食欲が落ちることがあります。



猫にとって環境の変化は、人間が思う以上に大きなストレスなんだよ。
様子見はいつまで?食べない状態が続いた場合の危険なサインと見極め



ネットじゃ『3日くらい平気』なんて話も見かけるが、本当に呑気に構えてていいのかい? 病院へ走るべきタイミングを教えてくれよ!
インターネット上では「1週間食べなくても平気だった」という体験談を見かけることがありますが、条件によっては命に関わります。以下の危険なケースに当てはまる場合は、すぐに動物病院へ相談してください。
- 水も一滴も飲んでいない(丸24時間以上)
脱水症状のリスクがあります。特におしっこが出ていない場合は緊急性が高いです。 - 肥満気味の猫が丸2日(48時間)何も食べない
太っている猫が急に絶食すると、肝臓に急激に脂肪が溜まる『肝リピドーシス(脂肪肝)』という病気になりやすく、命に関わります。 - 子猫(生後半年未満)
予備能力が低いため、半日〜1日の絶食でも低血糖で倒れる危険があります。
Sさんのご相談内容を見る限り、以下の点から「今すぐ命に関わる緊急事態」ではないと考えられます。
- 夜間や人がいない時に「カリカリの音が聞こえる」(=少量は口にしている)。
- 唸る元気があり、威嚇もしっかりできる(=体力が残っている)。
- 3歳の成猫である。
この場合、無理に病院へ連れて行くストレスを与えるよりも、まずは「安心して食べられる環境作り」を優先する方が得策です。



ボク、お腹が空きすぎると気持ち悪くなって、余計に食べられなくなっちゃうんだね…。



特にぽっちゃりした猫ちゃんは要注意ね。
保護猫がご飯を食べない時に飼い主ができる対策



よし、緊急じゃないなら、家でできる工夫で食わせてやりたいな! Sさんが今夜からできる対策を教えてくんな!
人目を気にしているミトちゃんには、以下の対策が効果的です。
ケージ全体を目隠しして「要塞」を作る
現在、ソファの裏に隠れているとのことですが、できればケージの中に居場所を作ってあげたいところです。
- 外敵に見つかりにくい暗がりがあること。
- 背後や側面が壁で守られていること。
- 人の足音や生活音が直接響かないこと。
- ケージ内の2段目など、地面より高い場所があること。
ケージの上から毛布やバスタオルを掛け、三方向および前面の半分ほどを覆ってください。自作で手作りも愛がこもってて良いかと思います!
外から見られない暗い場所を作ることで、猫は「ここは安全だ」と認識し、落ち着いて食事ができるようになります。
「しっかりした作りが良い」とか、「手作りはできない…」という方はペットサークルカバーを買うと良いと思います。ただし、大きいサイズのケージには不向きなので注意してください。



暗くて狭いところだと落ち着くのよね〜。
夜間・無人の置き餌に徹する
Sさんが気づいている通り、ミトちゃんは人がいない時を選んで動いています。大事なのはご飯・水を飲み食べしてくれることなので、置き餌を徹底しましょう。
- 寝る前に、多めにご飯を置いて部屋を暗くする。
- 朝まで部屋に入らない。
- もしWebカメラがあれば設置し、食べている姿を確認する(姿が見えれば安心材料になります)。



誰もいない時に食べてるなら大丈夫だよー。
ちなみに猫田助でオススメのWebカメラはこちらです。安いけど、画質も良く、スマホでしっかり見守れます。
匂いの強いご飯を用意する
ドライフードだけでなく、食欲を刺激するメニューを用意しましょう。
- 温める
ウェットフードをレンジで数秒温め(人肌程度)、香りを立たせる。 - 嗜好性の高いおやつ
チュールやカツオなど、匂いの強いものをトッピングする。 - いつものご飯
保護猫カフェで食べていたものと同じ銘柄を与える。
猫は好みがあるので、ちゅ〜るを使うならいろんな味があるタイプがオススメです。
このような工夫をすると、結構すんなり食べてくれたりします。



温かいウマそうな匂いがしたら少しは食ってくれるかもな。
先住猫との関係づくりは、ケージ越しの対面がカギ



Sさんの家には10歳の先輩猫がいるんだったな。この先輩との関係も、お互いのストレスになってるみたいだが、どうすりゃいいんだ?
Sさんのご相談にある「先住猫が通るだけで唸る」というのは、ミトちゃんが自分の身を守ろうと必死になっている証拠です。
ここで重要なのは、完全に部屋を分ける(隔離)のではなく、同じ空間で、ケージ越しに距離を保つことがオススメです。
なぜ「同じ部屋」が良いのか?
完全に部屋を分けてしまうと、お互いの気配を感じ取れず、いつまで経っても得体の知れない侵入者のままになってしまいます。
姿は見えない(または薄っすら見える)けれど、匂いや音はするという状態を作ることで、時間をかけてお互いの存在を日常の一部として認識させていくのが近道です。





まずは顔を合わせないと何も始まらないぞ。
具体的なアクション
前述の通り、布で覆います。これでミトちゃんは見られる恐怖から解放されます。
先住猫ちゃんにはいつも通りリビングで過ごさせます。ただし、ミトちゃんのケージに近づきすぎて唸られるようなら、ケージの周りにダンボールなどでバリケードを作り、少し距離(1〜2メートル)を保てるようにします。
唸り声が聞こえても、Sさんが慌てて介入したり、叱ったりしてはいけません。「唸れば人間が反応する」と学習させないためです。
時間が経てば、ミトちゃんも「あの猫(先住猫)は、このケージの中までは入ってこない」と理解し、唸るのをやめてご飯に集中できるようになります。
猫によって差はありますが、一ヶ月も経てば徐々に慣れて、ケージから出しても大丈夫になります。



ちゃんと距離を保って、お互い落ち着かせなさいよね!
ご飯を食べない時によくある質問(FAQ)



最後に、みんなが気になってる細かい疑問をバシッと解決していくぜ!
ご飯を食べるようになるまで、一般的に何日くらいかかりますか?
早ければ翌日、「完全に量食べる」ようになるまでは1週間程度かかることも珍しくありません。
Sさんのように夜中に少し食べているのであれば、順調な滑り出しです。焦らず見守りましょう。
チュールしか食べなくなっちゃったらどうする?
今はそれでもOKです!「チュールしか食べない贅沢な猫になったらどうしよう」と心配かもしれませんが、まずはエネルギーを摂ることや、仲良くなることが最優先。
環境に慣れて余裕が出てくれば、自然とドライフードも食べるようになります。
ずっと隠れている時は無理に引っ張り出した方がいい?
絶対にNGです。隠れているのは自分を守るためです。
無理に引きずり出すと、飼い主さんを怖いことをする人と認識してしまいます。自ら出てくるまで、何日でも待ってあげてください。
この辺りは臆病な猫の飼い方。猫と仲良くなるコツをご覧ください。


まとめ:保護猫がご飯を食べない時は「安心できる環境」で待つのが正解



夜中にこっそり食べている時点で、生きる力を持っているよね。



ゆっくり待ってあげてね〜。



ゆっくりなら、お互い仲良くなれるかもしれないんだね…。



「ご飯置いておくから勝手に食べてね」くらいの余裕を見せなさい!
Sさん、今は不安でいっぱいかと思いますが、ミトちゃんがカリカリをかじる音が聞こえたなら、第一関門は突破しています。
「食べてくれたらラッキー」くらいの気持ちで、まずは一ヶ月くらい静かな環境を提供してあげてください。きっとミトちゃんの方から、心を開いてくれる日が来ますよ。
それでは、今回も猫田助完了!
他にも保護猫のキャットフードに関しての情報をまとめているので、ぜひご覧ください。




