今回のテーマは『愛猫の健康を守るキャットフードの正しい選び方』について。
愛猫家のみなさん、毎日のごはん選びに自信を持てていますか?お店の棚には数え切れないほどの種類のキャットフードが並んでいて、パッケージの謳い文句を見ているだけで目が回ってしまいそうになりますよね。
今回は、そんな飼い主さんから、ご相談をいただきました。
猫田助の皆様、はじめまして。
3ヶ月前に保護猫の「きなこ(現在生後4ヶ月)」を迎え、初めて猫との暮らしをスタートさせたS.Kと申します。
今までは保護主さんに教えてもらった子猫用のドライフードを与えていたのですが、先日動物病院で「避妊手術をしたら太りやすくなるから食事管理に気をつけて」と言われました。
それを機に、ネットでフードについて調べ始めたのですが、「グレインフリーが良い」「添加物は危険」「ウェットもあげないとダメ」など情報がありすぎて、何が本当なのか分からなくなってしまいました。
先日、うっかり先住猫がいる実家に連れて行った際、きなこが成猫用のフードを盗み食いしてしまい、すごく焦ったこともあります(今のところ元気ですが…)。
・総合栄養食を選べば間違いないのでしょうか?
・避妊後はすぐにフードを変えるべきですか?
・ドライとウェット、結局どうあげるのが正解ですか?
愛猫の体を作る毎日のごはんのことなので、失敗したくありません。
正しい選び方の基準を教えていただけないでしょうか。
大切な家族だからこそ、なんとなくではなく根拠を持って選びたいですよね。
今回は、環境省のガイドラインや最新の獣医学的知見に基づき、迷わないためのキャットフード選びの鉄則を解説します。
記事のゴールは、パッケージの裏面を見て、自分の愛猫に合ったフードを自信を持って選べるようになることです。それでは、行ってみましょう!
キャットフードに迷ったら総合栄養食を選ぶべき理由
猫田助お店に行くと、缶詰やパウチ、カリカリ…いろんな種類があるけどよ、結局は何を選べば良いんだい?
総合栄養食と一般食の違いを知ろう
キャットフードには、その使用目的によって明確な分類があります。
相談者さんがご質問されている通り、毎日の主食として選ぶべきなのは間違いなく総合栄養食です。
総合栄養食


指定された成長段階において、ペットフードと水を与えるだけで必要な栄養バランスを満たし、健康を保つことを目的としたフード。
間食


栄養補給のみを目的としたものではなく、オヤツやご褒美、ペットとのコミュニケーション手段として与えられるフード。
療法食


獣医療において獣医師の指導のもとで食事管理に使用されることを意図したフード。
その他の目的食


総合栄養食でない缶詰・レトルトフードや、ペット用サプリメント、ふりかけ、飲料など、食欲増進や、特定の栄養成分などを補給する目的で与えられるフード。
総合栄養食とは、そのフードと新鮮な水さえあれば、猫が健康を維持できるように栄養バランスが調整されたごはんのことを指します。人間で言えば栄養バランスの整った定食のようなものです。
一方で、美味しそうなパッケージの缶詰やパウチの中には一般食(副食)や、間食(おやつ)と記載されているものも多くあります。これらは人間で言うおかずや、デザートにあたります。
これだけを与え続けると、栄養バランスが崩れ、病気や発育不良の原因となってしまうため注意が必要です。



パッケージの裏面を見て、総合栄養食と書いてあるか確認するのが第一歩なんだね。
ウェットフードとドライフードの使い分け
キャットフードには大きく分けて『ドライフード(カリカリ)』と『ウェットフード(缶詰など)』があります。
「結局どうあげるのが正解?」という疑問への回答ですが、基本的にはドライフードを主食にしつつ、水分補給としてウェットフードを組み合わせる(ミックスフィーディング)がおすすめです。
それぞれのメリットは以下の通りです。
猫はあまり水を飲まない動物なので、ウェットフードを取り入れることで、将来的な腎臓病や尿路結石のリスクとなる水分不足を補うことができます。



私はね、やっぱり香りのいいウェットフードが出てくるとテンション上がっちゃうのよね〜。
キャットフードのパッケージ裏面の原材料チェックポイント



「添加物は危険」とか「穀物はダメ」とかよく聞くけどよ、裏面の細かい字のどこを見ればいいんだい?全部ダメって言われたら食べるもんがなくなっちまうぜ!
主原料は動物性タンパク質が理想
原材料名は、使用されている重量が多い順に記載されています。
猫は完全肉食動物ですので、リストの先頭(第一主原料)には鶏肉、ミートミール、魚介類などの動物性タンパク質があるものを選びましょう。
もし先頭がトウモロコシや、小麦などの穀類である場合、コストを抑えるために炭水化物が多く使われている可能性があります。猫は炭水化物の消化が得意ではないため、消化不良や肥満の原因になることがあります。





オレは肉たっぷりのメシじゃないと力が出ないんだ。しっかり選んでくれよな。
必要なタウリンとビタミン
キャットフードの選び方では、猫の健康を維持するために必要なアミノ酸とビタミンが含まれているかも気にしておきましょう。
猫はタウリンやビタミンAなどを体内で作ることができないため、キャットフードから摂取する必要があるのです。
不足すると、目の障害や心臓の疾患などを引き起こすことがあります。
不足すると、視力や免疫機能の低下を引き起こすことがあります。
総合栄養食のキャットフードを選ぶ際には、これらの栄養素がバランス良く含まれているものを選ぶことが理想的です。
気にするべき添加物とグレインフリー
添加物はすべて悪というわけではありません。酸化防止剤などはフードの品質を保つために必要不可欠です。
ただし、猫は見た目の色で食事を選ばないため、着色料(赤色○号など)は不要な添加物と言えます。
また、グレインフリー(穀物不使用)が流行していますが、必ずしも全ての猫に必須ではありません。
トウモロコシや小麦にアレルギーがある猫には有効ですが、健康な猫であれば、適切に加熱処理された穀物は消化吸収できます。
無理に高価なグレインフリーにこだわるよりも、続けられる価格で、良質な動物性タンパク質が主体のものを選ぶ視点が大切です。



着色料でカラフルじゃなくても、美味しい匂いがすれば私は満足だわ〜。
キャットフードの与え方
子猫の場合、一日に4~6回と少量を頻繁に与えることが推奨されます。
成猫は一日2~3回に分けて与えます。
ドライフードとウェットフードの適切な給与量は月齢と体重を考慮する必要があります。
飼い主のためのペットフード・ガイドライン- 環境省
給与量の目安は各製品のパッケージに記載されていますので、それを参考にしましょう。
ライフステージ(年齢)別の正しいキャットフードの選び方



相談者さんの子猫は成猫用の飯を食っちまったみたいだけど、子猫用と大人用ってそんなに中身が違うもんかい?
思っているよりも違いますね。一度や、二度食べた程度では影響は出ませんが、年齢に合わせた食事にすることが大切でしょう。
月齢別のキャットフードの選び方は下記にまとめておきます。
| 0〜1ヶ月 | 高タンパクで高脂肪なキャットミルク |
| 1〜3ヶ月 | 高タンパク質で高脂肪、かつ低炭水化物のウェットフード |
| 3ヶ月〜1歳 | タンパク質や脂肪だけでなく、ビタミンやミネラルもバランスよく摂取できるキャットフード |
| 1〜7歳 | 環境やライフスタイルに合わせてキャットフードを選ぶ |
| 7歳以上 | 胃腸に負担をかけないシニア用キャットフード |
次からは月齢に合わせたキャットフードの詳しい選び方を紹介していきます。
生後0日〜1ヶ月:母乳成分に似たキャットミルク


生後0~1カ月の子猫にとって、初乳がもらえたかどうかは今後の成長を左右します。人間の赤ちゃん同様、初乳には、子猫の免疫力を高めるための抗体や、成長に不可欠な栄養素が豊富に含まれています。
しかし、 野良猫の場合は母猫の初乳を十分に摂取できないことが多いです。
- 母猫がいなくなってしまった
- 母猫が若い・健康状態が悪い
- 子猫自身が弱っている
こういったことは野良猫ではよくあります。
生後1ヶ月ってどんな状態なの?というかたは、こちらの記事で赤ちゃん猫について詳しくまとめていますのでご覧ください。


キャットミルクを選ぶ際には、高タンパクで高脂肪で栄養価が高いものをチェックします。
総合栄養食は子猫に必要な栄養をバランスよく含んでいるので、基本的には総合栄養食のキャットミルクのみで大丈夫です。
オススメはワンラックのプレミアムキャットミルク。こちらには乳酸菌やミネラル、ビタミンがバランスよく含まれており、免疫力を強化する効果があります。
このミルクは他よりも少し高いのですが、生後数日という亡くなりやすい時期だからこそ、しっかり食べてくれて栄養豊富なフードのほうが良いかと思います。
ミルクを与える時はそのままでは飲めませんので、何かしらの投薬器が必要となります。
生後1~2カ月:ウェットフードやふやかしたドライフード


生後1~2カ月の子猫は離乳食の開始時期にあたります。生後1~2カ月の離乳期には、ミルクと並行して、ウェットフードやふやかしたドライフードからスタートすることが多いです。
キャットフードの選び方も先程のキャットミルクと同様、高タンパク質で高脂肪、かつ低炭水化物の製品を選びましょう。
また、猫は雑食ではなく肉食なので、主成分がお肉やお魚のものがおすすめです。
この時期のキャットフードは消化が良く、栄養バランスが整っているものを選びましょう。猫田助ではピュリナワンをオススメしています。
生後3ヶ月〜1年まで:高タンパク質・高脂肪なキャットフードを


生後3カ月から1歳までの猫は、身体の成長が非常に活発な時期です。子猫の時期は、骨や筋肉、内臓を急速に発達させる必要があります。
このため、成長期用のキャットフードではタンパク質や脂肪だけでなく、ビタミンやミネラルもバランスよく摂取できるのものが望ましいです。
特にカルシウムやリン、ビタミンDは骨の発達に重要な栄養素です。
また、ビタミンAやビタミンEなどの抗酸化作用を持つビタミンも、健康な皮膚や被毛を保つために必要です。
1歳までのキャットフードは、生後1〜2ヶ月の猫用キャットフードでOKです。
ただし、長期的に成猫用を与え続けると、発育に必要な栄養素が不足してしまうため、1歳までは必ず子猫用(または全年齢対応)を与えましょう。



子猫は、たくさん遊んで大きくなるためにエネルギーが必要なんだね〜!
維持期(成猫):1歳〜7歳頃


成長が止まり、体型を維持する時期です。
特に避妊・去勢手術後はホルモンバランスの変化により代謝が落ち、食欲が増して太りやすくなります。
「避妊後はすぐにフードを変えるべきか?」という点ですが、手術の傷が癒え、体調が安定した頃(抜糸後など)から徐々に切り替えるのがベストです。
急いで変える必要はありませんが、体重の増加傾向を見ながら『避妊・去勢後用』や、『室内飼い用』などのカロリー控えめなフードへ移行していきましょう。
成猫期の1歳~7歳の猫には、高品質なタンパク質源と体重管理がしやすいキャットフードがおすすめです。避妊去勢を行ったあとは、カロリーが控えめの物を選びましょう。



手術したからってゴロゴロしてたらすぐ太るのよ!食事管理しなさいよね!
高齢期(シニア):7歳以上


猫は7歳以上になるとシニア期に入り、運動量や代謝が落ちてきます。また、腎臓機能の低下なども気になり始める時期ですので、腎臓への負担となる『リン』や『ナトリウム』などの成分が調整されたシニア用フードを選ぶことが推奨されます。
この時期は、消化のしやすさがポイントです。
年齢を重ねると、猫の消化能力も低下しやすくなるため、胃腸に負担をかけないキャットフードを選びましょう。
食物繊維を多く含んで毛玉ケアが出来るもの、尿路結石や腎臓の健康維持など病気の対策ができるキャットフードもあります。病気になってしまっている猫ちゃんはこっちのほうが良いですね。



5歳を過ぎたら、そろそろシニアケアも視野に入れて健康チェックしていこうね。
キャットフードの切り替え方と保存方法の注意点



よし、新しい飯を買ってきたぜ!今日から猫様の飯は全部これに入れ替えても大丈夫かい?
キャットフードの切り替え方
キャットフードを急に全量切り替えるのはNGです。猫の胃腸はデリケートなため、急な変化に対応できず、下痢や嘔吐をしてしまうことがあります。
最善を尽くすなら、新しいフードに切り替える際は、今のフードに新しいものを1割程度混ぜ、1週間〜10日ほどかけて徐々に割合を増やしていくのが良いでしょう。
愛猫の便の状態(緩くなっていないか)を確認しながら進めてください。



急に味が変わると、ボクびっくりしてお腹痛くなっちゃう…。
キャットフードの保存方法
保存方法も重要です。
ドライフードは開封後、空気に触れると酸化が進み、風味が落ちてしまいます。開封後は密閉容器に入れ、1ヶ月以内を目安に食べ切るようにしましょう。
ウェットフードの場合は、保存方法や開封後の保存期間が限られているため、基本的には食べきりとなります。また、開封後何もしないでいるとウジ虫が湧いたり、変な臭いを発したりと大変なことになるので、絶対に放置しないようにしましょう。
| ドライフード | ウェットフード | |
|---|---|---|
| 開封後の使用期限 | 1ヶ月以内 | 24時間以内 |
| 保存容器 | 密閉できる容器 | ラップに包む |
| 保存場所 | 冷暗所 (直射日光や、湿気を避ける) | 冷蔵庫 |



酸化したフードは体に悪いから、密閉して冷暗所で保存するのが基本だよ。
キャットフードに関するよくある質問(FAQ)
他に猫田助によく来るキャットフードの質問を挙げておきます。参考にしてください!
全年齢対応のフードはずっとあげていても大丈夫ですか?
はい、基本的には問題ありません。ただし、子猫には給与量を多めに、シニア猫には体調に合わせて調整するなど、給与量のコントロールが必要です。特定のケアが必要な場合は専用フードの方が適していることもあります。
療法食はネットで自己判断で買ってもいいですか?
いいえ、推奨されません。療法食は食事療法という治療の一環であり、獣医師の指導のもとで与えるものです。健康な猫が食べると栄養バランスが偏る可能性があるため、必ず動物病院で相談してください。
値段が高いフードの方がやっぱり良いのですか?
価格と品質はある程度比例しますが、高ければ絶対に良いとは限りません。続けられる価格であり、かつ愛猫が喜んで食べ、良いウンチをして、毛艶が良いフードが、その子にとってのベストなフードです。
まとめ:愛猫の健康を守るフード選び



毎日食べるものだからこそ、成分表示を見る習慣をつけることが大切だよ。



美味しいごはんを食べて、いつまでも元気に長生きしたいわね〜。



相性の良いごはんを選んでくれたら、もっと安心して暮らせるね…。



アンタの選択が私たちの体を作るのよ!しっかり勉強しなさいよね!
ごはんは、愛猫の体を作る材料そのものです。
S.Kさん、そして迷っている飼い主の皆さん。情報に振り回されすぎず、まずはパッケージの裏面を確認することから始めてみてください。
そして何より、目の前にいる愛猫の食いつきや体調を一番の答えにして選んであげてくださいね。
それでは、今回も猫田助完了!











