猫ちゃんとの新しい生活、毎日がワクワクと喜びに満ちていますよね。特に、縁あって保護猫ちゃんを家族に迎え入れたいと思っている方は、この子の健康を末永く守ってあげたいと強く願っているのではないでしょうか。
そんなあなたに、知っておいてほしいのが『猫カリシウイルス感染症』です。
「猫田助さん、こんにちは!
最近、地域で保護した子猫を家族に迎え入れたばかりなんです。毎日とても可愛いのですが、気になることがあって…。時々、くしゃみや鼻水をよくしているんです。病院に連れて行ったら『猫風邪』かもしれないって言われたのですが、まさか病気だなんて…。
この子の前は長年、家だけで飼っていた子だったので、猫風邪についてもほとんど知らなくて。特に、口の中がただれたり、ご飯を食べられなくなったりすることもあるって聞いて、すごく心配です…。
『猫カリシウイルス感染症』っていう病気だと聞いたのですが、一体どんな病気なのでしょうか?また、野良猫だった子に多いと聞いたのですが、今後も再発しないか不安で、どうしたらいいのか教えてほしいです!」
猫田助では、保護猫と暮らす里親さんの不安を少しでも軽くしたいと考えています。猫カリシウイルス感染症は、特に保護猫や多頭飼育の環境にいた子に多く見られる病気です。
そこで今回は、そんな不安を解消するため、『猫カリシウイルス感染症』に焦点を当てて、その症状や感染経路、そして具体的な予防法や治療法について、詳しく解説していきます。ぜひ、参考にしてください!
猫カリシウイルス感染症とは

猫カリシウイルスってなんだぃ?
猫カリシウイルス感染症は、通称『猫風邪』と呼ばれる、猫の上部気道に感染する病気です。
原因となるのは全部で4つあるカリシウイルス科の中で、ベシウイルス属…通称、FCVと呼ばれるウイルスで、特に子猫や免疫力が低い猫に多く見られます。
猫カリシウイルス – Wikipedia
この病気が他の猫風邪と大きく違うのは、口の中に症状が出やすいこと。
くしゃみや鼻水、発熱といった一般的な風邪の症状に加えて、舌や上あごに水ぶくれや潰瘍(ただれ)ができるのが特徴です。口が痛むので、ご飯が食べられなくなってしまうこともあります。
猫カリシウイルス – Wikipedia 真ん中が腫れていると食べられなくなってしまう。
猫田助で保護した野良猫でも、口の中がただれていてご飯が食べられない子がたまにいます。



口が痛くて食べられないのは、本当に見てて辛いよ…。



うん、元気がないと心配になっちゃうよねー。
猫カリシウイルスの感染経路と潜伏期間



猫カリシウイルスはどこから来て、どのくれぇで症状が出てくるんでぇ?
猫カリシウイルスは、非常に感染力が強いウイルスです。特に、くしゃみや鼻水、よだれ、涙などの分泌物を通じて、あっという間に広がっていきます。
感染経路
主な感染経路は、以下の3つです。
直接接触感染


ウイルスを持っている猫がくしゃみをした際に飛び散る飛沫や、舐めあったり、同じ食器を使ったりすることで感染します。
野良猫や保護猫の場合、外で他の猫と接触する機会が多いため、感染しているケースがよく見られます。
また、過ごしている間に舐め合ったりすることが多いので、同じ部屋、ケージの中だとほぼ感染してしまいます。
関節接触感染


ウイルスに汚染された食器やトイレ、おもちゃ、タオル、ウイルスが付着した人の手や靴、服から感染することがあります。
「家にいる猫は安心」と思われがちですが、飼い主さんが外からウイルスを持ち込んでしまうこともあるので、注意が必要です。
キャリアによる感染


この病気の厄介な点は、一度回復した猫も体内にウイルスを持ち続け、症状が出ていなくてもウイルスを排出し続ける『キャリア』になる可能性があることです。少なくとも30日間、中には数年間排出し続ける場合があります。
このキャリア猫が、知らず知らずのうちに他の猫に感染を広げてしまうことがあります。



いろんなところから感染っちゃうんだね…ブルブル。



飼い主からも感染するなんて!ちゃんと洗ってから触りなさいよ!
潜伏期間
猫カリシウイルスに感染してから症状が出るまでの潜伏期間は、通常2〜6日です。
感染したばかりの猫は症状が出ていないため、飼い主さんが気づかないうちに他の猫に感染ってしまうことがありますね。



感染してからすぐに症状が出るわけじゃないんだね…。



ウイルスがどこにいるか分からないから、対策が大事なのね〜。
猫カリシウイルスの症状



感染すると、どんな症状が出てくるんでぇ?
症状は10日前後続きます。猫カリシウイルス感染症の症状は、時間とともに変化することがあるので注意しましょう。特に口腔内に異常が見られたらカリシウイルスを疑ったほうがいいですね。
初期のサインを見逃さないように、注意して見てあげることが大切です。
初期症状
ウイルスに感染してから数日後(潜伏期間後)に、以下の症状が現れ始めます。この時期は、人間でいう風邪に似た症状が中心です。
くしゃみや鼻水 | ウイルスが上部気道に炎症を起こすため、くしゃみや透明な鼻水が出ます。 |
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元気・食欲の低下 | ウイルスと闘うために体力を消耗し、元気や食欲がなくなります。 |
発熱 | 39.5℃以上の熱が出ることがあります。 |



子猫がくしゃみしたら、すぐに『猫風邪かも』って疑ってあげなさいよね!
進行した場合の症状


初期症状から数日経っても改善しない場合や、ウイルスが活発になると、猫カリシウイルス特有の症状が現れます。
変異しやすいウイルスで、強毒全身性カリシウイルスとなると重篤化します。
口内炎や舌の潰瘍(ただれ) | 口の中や舌に水ぶくれができ、それが破れて潰瘍になります。痛みが強く、食事ができなくなってしまうことが多いです。 |
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よだれが増える | 口内炎の痛みから、よだれがダラダラと出るようになります。 |
結膜炎(目やに、涙) | 目の周りが赤く腫れたり、目やにや涙が多くなることもあります。 |
肺炎や関節炎 | まれに、ウイルスが気管支や肺にまで広がって肺炎を引き起こしたり、足を引きずるような関節炎の症状が出ることもあります。 |



口内炎でご飯が食べられないのは、本当に見てるこっちも辛いわねぇ…。



症状がひどくなると、命に関わることもあるから、油断するなよ。
猫カリシウイルスの予防と管理



猫カリシウイルスはどうすれば予防できるんだぃ?対策があれば教えてくれよ!
猫カリシウイルス感染症は、感染力が非常に強いウイルスです。そのため、感染させないための『予防』と、感染してしまった場合の『管理』の両方が重要になります。
予防法
猫カリシウイルスから猫ちゃんを守るために、飼い主さんができることはたくさんあります。
ワクチン接種
最も有効な予防策です。3種混合のコアワクチン接種で1年以上効果が続くことが確認されています。


感染を完全に防ぐことはできませんが、発症した場合の症状を軽くすることができます。
完全室内飼育
乾燥に強く、自然界でも蔓延しています。このため、基本的に外に行くと感染するようです。室内飼いにすると感染を防げるでしょう。
清潔な環境維持
ウイルスは比較的長く生き残るため、食器やトイレ、寝具などをこまめに掃除・消毒することが大切です。


200ppm以上の次亜塩素酸で使いやすいのは、ノロキラーSですね。


長くキレイに掃除したいならスチームクリーナーも良いですよ。


多頭飼育での隔離


他の猫との接触機会をなくすことで、感染のリスクを大幅に下げられます。一度かかってしまうとキャリア持ちとなってしまうので、基本的には隔離しましょう。



日々の小さな注意が、病気から守る大きな力になるんだね。


猫カリシウイルス感染後の管理:食事とケア



感染後はどんな食事を摂らせるといいんだぃ?他にも気をつけることがあったら教えてくれ!
感染後に主に悩むのは、どんな食事を摂らせるかになります。少しでも早く回復できるように支えてあげましょう。
食事


症状の中で一番問題になるのは口内炎。口内炎で食べられなくなることがあるため、基本的には消炎剤を使いつつ、ウェットフードや流動食を温めて与えたり、スポイトで水を飲ませたりするなど工夫してあげましょう。


猫は全く食事が摂れなくなると、『肝リピドーシス』という命に関わる状態になってしまいます。なんとか食事を食べられるように工夫し、どうしても難しい場合は動物病院に相談しましょう。
温かく安心できる環境


ストレスは免疫力を低下させ、症状を悪化させる可能性があります。静かで暖かく、安心して過ごせる場所を提供してあげてください。
「今後も再発しないか不安で」という相談でしたが、再発する可能性もあるので、ストレスのかからない環境を維持してあげてください。
目のケア


感染すると、目やにや、鼻水で顔が汚れやすくなります。温かいタオルで優しく拭き取ってあげましょう。





口内炎がひどいと、ご飯を食べてくれなくて心配になっちゃうわ…。
まとめ:猫カリシウイルスはワクチン接種が一番効果的



猫カリシウイルスについては理解したか?



風邪の症状が出たら基本的には隔離するといいね。



変異しやすいのが怖いわ〜って思ったわよ〜。



どうしても食べてくれなそうなら動物病院に相談したほうが良さそうね。
猫カリシウイルスは風邪の症状から始まり、重篤化すると死亡する可能性もある怖い病気です。外に行くと感染しやすくなってしまうので、万全を期すなら室内飼いにしておくほうが良いでしょう。
ただ、今回は室内飼いで風邪ひいてしまったとのことなので、家の中を清潔に保ったり、猫ちゃんに触る時は手をよく洗ってから触るなどを気をつけてください。
また、ワクチンは非常に高い効果が期待でき、すでにかかっていても症状を軽くできるので、ぜひワクチンを打っておいてくださいね。
それでは、今回も猫田助完了!
他にも猫の病気についてまとめているので、ぜひご覧ください。